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製造業の図面は全部電子化すべき?保存期間・検索頻度で決める文書の保管方法

2026年09月28日 12:00

製造業の図面は全部電子化すべき?保存期間・検索頻度で決める文書の保管方法

悩む男性

工場の書庫が図面や品質記録でいっぱいになっている…

過去の図面を探すたびファイルや保存箱を何箱も確認している…

電子化を検討して見積もりを取ったものの、すべてスキャンすると想像以上の金額になった…

製造業では、設計図面や仕様書、検査記録、製造記録など、長期間保管している紙文書が多くあります。
そこで検討されるのが文書の電子化ですが、長年蓄積された図面や文書をすべて電子化すると、途方もない作業と多額の費用がかかります。また、電子化したとしても、ファイル名や検索項目が整理されていなければ、必要な情報を探しにくくなることが一般的です。

そのため、文書ごとに次の3つを組み合わせて保管方法を考えることが重要です。

① 保存年限
×
② 検索頻度
×
③ 原本の必要性

この記事では、製造業で保管されることの多い図面や製造記録について、
 ✓ 電子化するもの
 ✓ 紙のまま保管するもの
 ✓ 外部の保管サービスを利用するもの
 ✓ 廃棄を検討するもの
を整理する考え方を紹介します。

本記事では、製造業の文書保管・貸出に関する集計結果も参考に、保管されている書類の種類や利用状況を紹介します。図面の電子化だけでなく、経理書類や契約書を含めた、会社全体の文書整理を考えていきましょう。


製造業の図面・文書は「すべて電子化」が正解とは限らない

図面や文書を電子化すると、紙の保管スペースを減らせるだけでなく、検索や共有がしやすくなるメリットがあります。

特に、次の場合には電子化の効果を得やすくなります。

✓ 過去図面を頻繁に参照する
✓ 複数の工場や拠点から同じ図面を見る
✓ 図番や製品名から素早く検索したい
✓ 紙原本の劣化や紛失を防ぎたい

しかし、工場にある数十年分の図面や記録をすべて電子化する必要はありません。

例えば、10年以上保管されているものの、一度も取り出されていない過去図面と、毎月のように問い合わせが発生する図面では、電子化の優先順位は大きく異なります。

まず、必要なのは「どの文書が実際に使われているか」を把握することです。



①保存年限を確認して不要なものを廃棄しましょう

保存年限を確認しよう

製造業では何を何年保管する必要がある?

図面・文書を整理するとき、最初に確認したいのが保存期間です。
ただし、製造業の文書には、様々な種類のものが混在しています。

✓ 法令で保存期間が定められているもの
✓ 取引先との契約で保存が求められているもの
✓ ISOや品質管理上保存しているもの
✓ 自社規程で期間を設定しているもの

そのため、「製造業の書類はすべて○年間」と一律に判断することはできません。

また、製造業では、「製造物責任法(PL法)があるため図面は10年間保存する必要がある」と説明されることがありますが、「すべての製造図面を10年間保存しなければならない」という図面の保存義務そのものを定めた規定ではありません。

■製造物責任法(PL法)
原則として製造業者が製造物を引き渡した時から10年を経過すると、製造物責任に基づく損害賠償請求権が時効によって消滅する。

実際の図面の保存期間は、次のことを踏まえて設定する必要があります。

製造物
✓ 製品の使用期間
✓ 保証期間
✓ 保守・修理期間
✓ 製造物責任への対応
✓ 取引先からの要求
✓ ISOや品質管理規程
✓ 自社の文書管理規程

例えば、販売終了後も長期間修理対応を行う製品であれば、古い設計図面をすぐに廃棄することは難しいでしょう。
一方で、製品ライフサイクルが終了し、品質保証や契約上も必要がなくなった図面まで残し続けるかは検討する余地があります。



経理・取引関係の書類には法定保存期間がある

また、製造業で保管する文書は、図面や製造記録だけではありません。
工場や本社には、設計・品質・製造・経理・総務など文書もあるため、会社全体の文書を整理することが重要です。

■経理・取引関係の書類の一例
請求書/納品書/領収書/伝票/帳簿/契約書


製造業の文書保管に見られる書類の種類と傾向

製造業で保管する書類は、図面や品質記録だけではありません。受発注関係書類、伝票、経理・会計書類、契約書なども、文書整理の対象になります。
以下は、製造業に関する文書保管の記録を、書類の種類別に整理した集計例です。図面以外にどのような書類があるのか、会社全体の保管方法を考える参考にしてください。

文書の分類 掲載8分類内の構成比
受発注・売掛買掛・納品関係書類 33.8%
伝票 26.9%
経理・会計書類 25.6%
完成図書・図面 6.8%
契約書 3.5%
技術資料・技術報告書 2.6%
検査記録 0.5%
試験データ 0.3%

※出典:押入れ産業による文書保管記録の集計。製造業に関する記録のうち、在庫名があるものを対象としています。割合は上記8分類の合計件数に対する構成比です。廃棄済みの記録を含み、現在の保管箱数や製造業全体の構成比を示すものではありません。

このように、製造業の文書整理は、設計図面や品質記録だけで完結するとは限りません。
図面の電子化を検討する際には、経理や購買、総務が管理する文書も併せて確認すると、「電子化するもの」「原本を外部保管するもの」「保存の必要性を見直すもの」を、会社全体で整理しやすくなります。



保存期限が終了している文書を廃棄する

廃棄
保存年限を決めたり確認したりすると、保存期限が終了している文書が多くあることに気づくでしょう。

それらは電子化する必要も保管スペースを確保する必要もありませんので、速やかに廃棄しましょう。

押入れ産業は書類の電子化・保管だけではなく、廃棄のみのご相談も可能です。

②検索頻度が多い図面・文書の電子化がコツ

書類検索

工場にある文書を4つに分けて考える

大量の紙文書の整理は、最初から「電子化する・しない」を決めるのではなく、次の4つに分類すると考えやすくなります。

分類 代表例 向いている方法
頻繁に使用する 現行図面、よく参照する仕様書 電子化
時々使用する 過去図面、契約書、品質記録 電子化+原本保管
ほとんど使用しないが保存が必要 古い製造記録、伝票、保存義務のある書類 文書保管
保存期限が終了し廃棄 期限満了文書 機密廃棄

さらに、箱に収まらないものや文書以外のものについては、別の保管方法を検討します。



電子化すべき図面は「量」ではなく「検索頻度(使用頻度)」で決める

例:
工場に紙図面が500箱あるとします。
「500箱すべて電子化する」と考えると、電子化費用は大きくなります。
しかし、その中で実際に頻繁に使用している図面が一部だけなら、まずその図面から電子化した方が費用を抑えるだけではなく、費用対効果を得やすくなります。


貸出記録を確認すると、図面以外にも電子化の検討対象が見えてくる

電子化の対象を選ぶ際は、保管量だけでなく、実際の貸出記録も確認してみましょう。

文書の利用状況を考える参考として、製造業に関する貸出記録の集計例を紹介します。
2025年9月1日から2026年8月31日までの対象記録を文書の種類別に整理すると、伝票や請求書など、図面以外の書類にも貸出が見られました。
この集計結果は、電子化の候補を図面だけに限定せず、ほかの書類にも広げて検討する手がかりになります。

在庫名
集計区分
対象期間の
貸出箱数
伝票 40件
請求書・インボイス 6件
経理・会計書類 5件
貿易関連書類 4件
その他 12件
合計 67件

※出典:押入れ産業による文書貸出記録の集計。件数は箱単位の貸出明細であり、検索回数・依頼回数・重複を除いた箱数ではありません。対象記録の集計例であり、製造業全体の利用傾向を示すものではありません。

この結果は、電子化の候補を図面だけに限定せず、伝票や請求書などにも広げて検討する手がかりになります。
ただし、取り出された理由までは、この明細だけでは分かりません。繰り返し照会するための貸出なのか、監査などに伴う一時的な確認なのかによっても、適した方法は変わります。さらには、検索頻度が高いものは外部保管せずにオフィスや工場に預けている可能性もあります。

つまり、貸出履歴に加えて、担当部署に「何を確認するために取り出したのか」「今後も同じ資料を参照するのか」を聞き、電子化する範囲を決めることが大切です。



電子化を優先したい文書

次のような文書は、電子化の優先度が高いと考えられます。

図面
✓ 貸出や閲覧の回数が多い図面
✓ 顧客から問い合わせが多い製品の図面
✓ 保守・修理で参照することが多い図面
✓ 複数拠点で共有する図面
✓ 過去製品を流用して設計する際によく参照する図面
✓ 頻繁に確認する契約書
✓ 過去照会の多い伝票や取引記録

逆に、保存義務はあるものの数年間一度も棚や箱から取り出していない文書は電子化する必要はありません。



図面電子化の段階別おすすめ方法

まず、電子化は保管スペースの縮小や作業効率向上を目的に行われることが多いですが、「全てスキャンする」ことで課題解決になるとは限りません。
自社の課題とコストを照らし合わせて最適な方法を選ぶようにすると電子化の効果が得られます。


準備:文書一覧・管理台帳を作成する

おすすめ! まずは図面・文書の整理からという方
図面・文書を電子化する前に、まず「何が、どこに保管されているか」を整理しましょう。
図番・文書名・製品名・年度・部署・保存期限・保管場所などを、Excelなどの管理台帳にまとめます。紙の文書をすべてスキャンしなくても、保管場所を確認できる状態にすることで、探す手間を減らせる場合があります。

これは、図面・文書そのものの電子化ではなく、電子化する対象や保管方法を決めるための準備です。管理台帳を整えた後は、貸出・閲覧などの利用状況も記録し、どの文書を優先して電子化するか検討しましょう。
※自社で取り組む場合も、整理・入力・確認などの作業時間は必要です。

■ラベル一例
図番/文書名/製品名/年度/部署/保存期限/保管場所


コスト低:必要になった文書だけ電子化する

おすすめ! コストを抑えつつ、電子化の効果も得たい方
図面・文書を倉庫で保管して社内の保管スペースを縮小し、必要になった時に取り寄せ、都度電子化を行う方法です。都度手間がかかりますが、無理なく必要な分だけ電子化できるというメリットがあります。


コスト中:検索頻度の高い文書から電子化する

おすすめ! 貸出履歴や閲覧履歴など検索頻度が分かる方
文書保管・電子化サービスを提供する押入れ産業が考える費用対効果が高く、最も賢い方法です。
すでに文書保管サービスを利用されている方や、自社でこの図面・文書をよく利用するとわかっている方は、そのデータを電子化の優先順位付けに利用できるため、そのデータをもとに次のような基準を設け、電子化の対象を実際の検索需要から決めてみましょう。

✓ 年10回以上参照される図面は電子化
✓ 5年間利用されていないものは紙保管


コスト高:全て電子化する

おすすめ! 全てお任せできる方
予算が十分にあれば、コンサルティングから電子化まで全てお任せすることができます。
しかし、これは理想ではありますが、現実的には「必要になった文書だけ」「検索頻度の高い文書」の電子化ではないでしょうか。


③原本の必要性に応じた保管方法の検討が必要です

次に、図面・文書の原本の必要性に応じた押入れ産業のサービスについて解説します。

※保存期限が終了し不要なものは機密廃棄。



電子化+文書保管:電子化しても原本を残した方がよい場合もある

実は、電子化と電子化後の活用だけがゴールではありません。なぜなら、必ずしも紙原本を廃棄できるとは限らないからです。
原本性が必要な文書や、社内規程・取引先との契約などによって原本保管が求められている図面・文書は、必要がなくなるまで保管し続けなければなりません。

その場合は、次のような方法があります。

電子データは日常業務で利用し、紙原本は外部倉庫へ保管する

この方法なら、検索性を高めながら工場やオフィスの保管スペースも削減できます。


押入れ産業の文書電子化サービス
■押入れ産業の文書電子化サービス

押入れ産業では、契約書や請求書、伝票、図面、製本資料などのスキャン・PDF化に加え、OCR・AI-OCRやデータ入力にも対応しています。

また、電子化後の原本についても、文書保管や廃棄まで一括して相談できます。

文書保管:電子化しない文書は外部の文書保管サービスを活用する

電子化しなかった図面・文書や、そもそもコストの面で電子化できなかったものを無理に工場内に置き続ける必要はありません。文書保管サービスを利用するだけでも、オフィスの保管スペースの縮小や作業効率の向上が期待できます。

特に、外部の文書保管サービスと相性がいいものは、次の図面・文書です。

✓ 保存期限までは残す必要がある
✓ 検索頻度は年1回以下
✓ 書庫を圧迫している
✓ 廃棄時期を管理したい
✓ 必要になったときは取り出したい

押入れ産業の文書保管サービス
■押入れ産業の文書保管サービス

押入れ産業では文書の保管だけでなく、貸出・返却・閲覧・廃棄などの運用にも対応しています。

A1・A2サイズの大型図面や製本図面、筒状の段ボールに入った図面の保管事例もあります。

また、保存満了時期を管理し、期限到来前に通知する運用も可能です。廃棄については溶解処理や機密処理証明書の発行にも対応しています。

DEPO庫:低頻度の文書や備品・サンプルはDEPO庫という選択肢も

製造業の工場で場所を取っているものは、紙文書だけとは限りません。
次のような頻繁には使わないけれど、すぐには捨てられないものもあります。

■文書以外の備品の一例
製品サンプル/限度見本/試作品/カタログ/取扱説明書/展示会備品/研修用備品/オフィス家具/予備備品


文書整理と併せて、備品やサンプルの置き場所も見直す

図面や文書の整理を進める際は、こういった工場内に残っている低頻度の備品やサンプル類も、併せて棚卸しをしてみましょう。
ただし、保管先は「使用頻度が低いから」という理由だけで決めず、箱ごとの在庫・保存期限を管理したいのか、自社で中身や保管期限を管理できるのかも確認することが大切です。

システムを使って在庫情報や貸出・閲覧、保存満了通知などを管理したい文書には、文書保管サービスを検討できます。

一方、自社で内容物や期限を管理し、低頻度の文書や備品をまとめて保管したい場合には、DEPO庫が選択肢になります。保管物の性質や必要な保管環境、サイズなどを確認したうえで、適した方法を相談しましょう。


押入れ産業のDEPO庫(デポコ)
■押入れ産業のDEPO庫(デポコ)

このサービスはお客様自身の鍵で管理する法人向けの倉庫内のコンテナに保管サービスです。

書類だけでなく会社備品も一緒に保管でき、必要なときは利用者自身で持ち込み・取り出しができます。さらには、機密文書の廃棄にも対応しています。

なお、危険物、薬品、温湿度管理が必要なサンプルなどは保管できない場合があるため、事前確認が必要です。

DEPO庫のサイズ・箱数目安 比較表

サイズ 畳数 サイズ
(幅×奥行×高さ)
箱数の目安
S 1畳 113cm × 138cm × 144cm 約30箱
M 2畳 173cm × 173cm × 180cm 約65箱
L 2.5畳 193cm × 193cm × 194cm 約80箱
LH 2.2畳 241cm × 143cm × 208cm 約75箱

※コンテナ1台につき上限1t(1000kg)まで収納できます。LHサイズは高さがあるものに適しているため、箱数の目安が少なくなっています。実際には、「文書箱+備品」といった組み合わせでご利用されることが多いです。


「社内で管理するもの」と「外部保管を活用するもの」を整理する

最終的には、工場にあるものを次のように整理すると判断しやすくなります。

状態 保管方法の例
毎日・毎週使う オフィス・工場内で管理
頻繁に検索する 電子化
電子化したいが原本も必要 電子化+文書保管
保存が必要だがほぼ使わない 文書保管
低頻度の文書・備品・サンプル DEPO庫
保存期限が終了し不要 機密廃棄

ポイントは、「紙をなくすこと」を目的にしないことです。

電子化は、必要な情報をより早く見つけ、活用しやすくするための手段です。
検索する可能性がほとんどない文書まで高いコストをかけて電子化しても、十分に活用されない可能性があるため、自社の課題とコストを照らし合わせて最適な方法を選ぶようにしましょう。



まとめ:図面・文書整理は「保存期限」と「検索頻度」から始める

オフィスや工場の書庫がいっぱいになると、まず「電子化して紙を減らそう」と考えがちですが、最初にするべきことはスキャンではありません。

まず、次の順番で整理します。

1.何が保管されているのかを把握する
2.保存期限を確認する
3.実際の貸出・閲覧頻度を確認する
4.原本を残す必要があるか確認する
5.電子化・文書保管・DEPO庫・廃棄に分類する

それから、5の分類する際には、次の基準がおすすめです。

・検索頻度が高い図面
 →電子化
・検索頻度が低いが原本保存が必要
 →文書保管
・低頻度で文書以外の備品もある
 →DEPO庫
・保存期限が終了し、業務上も不要
 →廃棄

こうすることで、図面・文書の性質に合わせた保管方法を選べます。


図面・文書・備品をまとめて整理したい製造業の方へ

押入れ産業では、企業の文書管理状況に合わせて、様々な文書に関する悩みをご相談いただけます。

押入れ産業
✓ 文書電子化
✓ 文書保管
✓ 貸出・閲覧
✓ 保存期限管理
✓ 機密廃棄
✓ DEPO庫による備品等の保管
悩む男性

どこまで電子化すればよいか分からない…
図面だけでなく、経理書類や契約書も整理したい…
紙文書と一緒に、工場の備品やサンプルも減らしたい…

といった場合は、まず押入れ産業にご相談いただき、一緒に文書や物品を整理し、利用頻度に合った方法を検討してみませんか。

■本記事の集計について
本記事の数値は、押入れ産業の文書保管業務で扱う製造業に関する記録を、文書の種類別に集計したものです。企業名や個別案件の内容、企業別の内訳は掲載していません。
保管記録は在庫名があるものを対象とし、廃棄済みの記録も含みます。貸出明細の対象期間は2025年9月1日~2026年8月31日です。集計結果は対象記録の範囲内のものであり、製造業全体を代表するものではありません。

▶当ブログに関する意見・感想はこちらまで

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